事業概況

業績等の概要

2024年1月

業績

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費や設備投資が持ち直す等、全体として緩やかに回復しております。一方で、地政学リスクの高まりにより不安定な国際情勢が続いており、依然として景気の先行きは不透明な状況にあります。
 当社グループが属する情報サービス産業においては、グローバル化、消費者ニーズの多様化及び国内労働力人口の減少等ビジネス環境の急速な変化や不確実性への対応を目的に、企業・行政のDXに対する意欲が高まり、IT投資を後押しすることから、引き続き成長が予想されております。
 当社グループは、「世界中のデータをつなぎ、誰もがデータを活用できる社会を作る。」をミッションに、50年を超えて培ったテクノロジーにより、金融業・流通小売業をはじめとする多種多様な業種向けシステム開発・運用等及びデータ連携サービスを提供しております。前連結会計年度にリリースしたiPaaS(クラウド型データ連携プラットフォーム)である「HULFT Square」を基盤として、より一層の事業構造変革を推し進めるべく、当連結会計年度は戦略として「4つのシフト」(事業シフト・技術シフト・組織シフト・人材シフト)を実行しております。
 このような中、当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高は17,906百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益は631百万円(同62.8%減)、経常利益は667百万円(同61.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は331百万円(同69.5%減)となりました。
 売上高は、企業・行政のDX投資意欲の高まりを受け、HULFT事業及びデータプラットフォーム事業が拡大したこと等により、増収となりました。営業利益及び経常利益は、HULFT事業が順調に増益となった一方で、第2四半期連結会計期間における流通ITサービス事業において、受注損失引当金繰入額1,272百万円を売上原価に計上したこと等により、減益となりました。営業利益及び経常利益の減益に加えて、第1四半期連結会計期間におけるデータプラットフォーム事業の減損損失等により、親会社株主に帰属する四半期純損益は、大幅な減益となりました。
 当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績は次のとおりであります。以下、セグメント間取引については相殺消去しておりません。
 なお、「HULFT Square」について、前連結会計年度までは新サービスの研究開発であったため全社費用としておりましたが、2023年2月にリリースしたことに伴い、第1四半期連結会計期間より「データプラットフォーム事業」に区分しております。
 

HULFT事業

 HULFT事業は、国内データ連携ソフトウェアのスタンダードである当社の主力製品「HULFT」、「DataSpider Servista」及び関連製品群の販売・サポートサービスを提供しております。
 売上高は、ライセンス販売の増加及びサポートサービスの更新が順調に推移したこと等により、7,424百万円(前年同期比7.4%増)となりました。2023年12月末現在におけるサポートサービス契約本数は、前年同期に比べて、「HULFT」は3,098本増加し61,817本、「DataSpider Servista」は484本増加し5,437本と順調に推移しております。営業利益は、売上高の増加等により、3,083百万円(同11.7%増)となりました。

データプラットフォーム事業

 データプラットフォーム事業は、当社の強みである「HULFT」「DataSpider Servista」「HULFT Square」を活用し、企業内・企業間のシステムやデータとSaaSをつなぐことで、業務効率化、経営情報可視化による意思決定支援及び経営刷新に繋げる各種サービスを提供しております。
 売上高は、DX領域が拡大したこと等により、1,867百万円(前年同期比17.5%増)となりました。一方で、サービスの立ち上げフェーズである「HULFT Square」の原価の計上等により、1,634百万円の営業損失(前年同期は528百万円の営業損失)となりました。

流通ITサービス事業

 流通ITサービス事業は、流通小売業・航空業向けシステム開発・運用等を提供しております。
 売上高は、お客様のIT投資が回復してきているものの、既存領域における情報処理サービスの減少等により、2,177百万円(前年同期比0.2%減)となりました。一方で、第2四半期連結会計期間において、開発を進めていた一部プロジェクトに高負荷が発生したことにより、この立て直しに必要な開発コストとして受注損失引当金繰入額1,272百万円を売上原価に計上しております。この結果、1,293百万円の営業損失(前年同期は9百万円の営業損失)となりました。なお、当該プロジェクトの立て直しと生産性の改善に引き続き努めております。

フィナンシャルITサービス事業

 フィナンシャルITサービス事業は、金融業向けシステム開発・運用等を提供しております。
 売上高は、既存領域における情報処理サービスの減少等により、6,436百万円(前年同期比8.4%減)となりました。営業利益は、売上高の減少等により、475百万円(同29.9%減)となりました。

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