事例

株式会社セゾン情報システムズ

購買システムを
約3か月でSaaSSAP Ariba移行
業務効率化、統制強化、
グローバル化へ向けた
将来基盤を確立

デジタル化による生産性向上を目指し、経費精算や購買・調達のシステムを自社開発しオンプレミスで運用する企業は多い。一方で最近は、こうしたケースで避けられない保守の負荷や改修コストなどを嫌い、クラウドサービス(SaaS)に移行するケースも増えている。2020年9月、セゾン情報システムズにおいても、長らく自社のインフラ環境で運用してきたスクラッチ開発の購買システムをSaaSに移行することに。効率化のほか、統制強化、変化への柔軟な対応、支出の可視化などビジネスの将来を考え、必要な機能を絞り込み段階的にアプローチすることで、既存のオンプレミスシステムからSaaSへの移行を3か月強で成し遂げることになった。


  • 課題
    • 自社開発のオンプレミスシステムは障害対応や日常保守など手間とコストがかかる
    • 部門購買についてもシステム化し、効率化、可視化、統制強化を図りたい
    • 将来に向けて、多言語/多通貨対応や各国法規制対応などグローバル対応が必要に
    導入
    効果
    • プロセスの簡素化を図り、
      ユーザ/サプライヤともに
      利便性・業務効率向上
    • 高い柔軟性や拡張性
      を担保しつつ、すべての支出を
      統合管理し可視化
    • 24×365稼働、
      多言語・通貨対応など、
      グローバル対応を強化

<背景>
自社ユーザ/サプライヤともに
利便性や効率性に課題を抱える

かつて構築した専用の購買システムをそのまま使い続けているという国内企業は実に多い。セゾン情報システムズにおいても、スクラッチ開発の購買システム「SISTOR」により、資材や要員の調達といった集中購買について、2012年以降デジタル化・ペーパーレス化を実現している。

しかしながらSISTORについては、オンプレミスシステムならではの障害対応や夜間停止をともなう保守など運用負荷が発生し、生産的・戦略的業務へのシフトを妨げていた。また、カバーする領域は購買部門が担当している集中購買に限定され、部門購買については各部門からの領収書や請求書提出を受けて他の経費精算&請求書管理システムで支払う仕組みで、請求書を受領してからの事後的な可視化になることから、業務効率的にもガバナンス的にも問題を抱えていた。
「企業としてはやはり、集中購買も部門購買もすべての支出をひとつの基盤で管理できる仕組みが理想です。」
そう語るのは、ビジネスサポート部 ビジネスパートナー推進チーム チーム長の上條功郎だ。
「部門購買についても発注段階で取引を可視化して、取引前に適正かどうかを主管部門や上長が適切に判断することでガバナンスが効き、結果的にコスト削減にもつながります。現場の業務効率向上やペーパーレス化、人為的ミスによる支払漏れ解消といった効果も期待できます。(上條)」
このほか、業務プロセスに従って作りこまれ、業務効率化に向けた柔軟な変更が難しい点も問題であった。
「たとえば、業務のプロセスを変更するためには、大規模な投資をして新しいシステムを開発する必要があります。結果として、社内やサプライヤにおいて過剰な手続きによる無用な工数が少なからず発生していました」と語るのは、ビジネスサポート部 ビジネスパートナー推進チーム チーム長の上條功郎だ。

さらに、ここ数年着実に拡大してきたグローバルビジネスについて、今後さらにアクセルを踏もうとしているなか、国内の取引専用に作りこまれたSISTORの拡張性の限界も顕在化しつつあった。


<導入>
購買プロセスの統制、
すべての支出を管理、可視化できる
拡張性を短期に実現

発注プロセスにフォーカスしたSaaS導入で、
3か月での移行を実現

会社の方針として、スクラッチ開発からクラウドサービス活用に舵を切っていたことから、複数のクラウドサービスを比較検討した結果、「SAP Ariba」のSaaS版購買システムを導入することに。
「SAP ERPや経費精算システムのSAP Concurなど、SAPファミリーでの連携を念頭においていたこともありますが、より短期での移行が可能な点を優先してSAP Ariba」の移行を決めました。2020年9月末までの3か月間をフェーズ1とし、集中購買についてSISTORからの完全移行を目指しプロジェクトを進め、無事9月14日に新システムをリリースすることができました(上條)」
SAP Aribaには契約管理からサプライヤ評価・管理まで実に幅広い機能が搭載されているが、まずは発注プロセスにフォーカスして、SaaS版の購買システムのスモール導入を進めたことが、3か月での短期移行成功のポイントとなった。

データ連携基盤「DataSpider」で
使い勝手のギャップをさらに埋める

導入を進めるなかでSaaSの機能では対応がむずかしい業務プロセスも出てきたが、こうしたケースでは、弊社のデータ連携基盤「DataSpider」を活用することで理想的な業務プロセスを実現している。
たとえばセゾン情報システムズでは、常駐するパートナー社員の対価について、あらかじめ設定した勤務時間の上限/下限で追加/控除しているが、SAP Ariba単独ではこうした処理は難しい。そこで、DataSpiderを用いて勤怠システムと連携させ、外で計算した結果をSAP Aribaに戻す仕組みを構築することで実現した。
「報酬の上限/下限処理はSIの業界では極めて一般的です。DataSpiderによるシステム連携でこうした処理を実現するノウハウは弊社ならではの強みとなるので、同じようなニーズを持つ同業他社に今回のプロジェクトで蓄積したノウハウをサービス提供できればと考えています(上條)」


<効果>
年間発注の約25%で1~2日の
リードタイム短縮を実現

2020年9月末までのフェーズ1ではSAP Aribaへの移行により、将来のグローバル対応を含め、運用負荷・可用性/インフラの制約/夜間停止などの諸課題を一気に解決。契約で条件を定めている物品発注について、見積~承認プロセスを削減するなど業務プロセスの見直し(最適化)を実施した結果、年間発注の約25%で工数を削減し、リードタイムを1~2日短縮するなど大幅な業務効率化を果たしている。

契約購買のプロセス見直しによる工数削減効果

契約購買のプロセス見直しによる工数削減効果

「SAP Aribaでは、ひとつのシンプルなカタログインターフェースから効率よく購入申請でき、さらに自動で承認者にメールが飛びメールの中で承認できるため、申請者/承認者ともに業務効率が大幅に向上。納期短縮にもつながりました(上條)」

SAP Aribaの導入により、全社で発生する全支出の統合管理が可能になった今、フェーズ2ではいよいよ、部門購買の電子化&自動支払いによる工数削減に取り組む計画だ。
「現在、某オフィス用品通販サイトのカタログを取り込んで、SAP Aribaの画面から直接買えるよう準備を進めており、11月からワンストップで何でも買える便利な仕組みが実現します。このほか、DataSpiderによるシステム連携をさらに進めて、外で科目の整合性や異常値をチェックしてメールで自動通知するなど、さらなる業務効率向上に向けて細かな機能強化も実装中です(上條)」