コラム

2020年7月27日
データ連携でダッシュボード化
“社員の働く姿”の可視化から
はじめる働き方改革
  • BI/データ分析
  • データ連携基盤

労働人口減少が加速するなか、生産性向上に向けて働き方改革に取り組む企業が増えています。しかしながら、何からはじめればよいか?どんなツールを使うのがよいか?効果検証はどうすればよいか?などさまざまなハードルに直面し、思うように成果が上がっていないケースが多いようです。
実は、弊社も数年前までそうした会社のひとつでしたが、社内のあらゆるデータをオープンにする(可視化する)ことからはじめ、ダッシュボード化などさまざまな施策に取り組んだ結果、1人あたりの売上や営業利益、残業時間や在宅勤務利用などが大幅に改善、働き方改革に成功しました。


データ可視化で大きなメリットを
もたらすダッシュボード

働き方改革によって、働きやすい・働きがいのある職場づくりを進めるためには、社員ひとり1人の働く姿の見える化が欠かせません。弊社では、PC操作ログデータを利用した「PC利用状況ダッシュボード」など、さまざまなダッシュボードによって可視化を推進していますが、今回は「勤怠ダッシュボード」と「経費精算ダッシュボード」の2つを取り上げてご紹介します。

◆勤怠ダッシュボード

弊社は、出退勤時にWebベースの勤怠システムに打刻する形で勤怠管理をおこなっています。部門長やチームリーダーは勤怠システム上でメンバーの勤怠状況を確認できますが、「数字の一覧表示だけでは問題点を見つけにくい」「他部門と比較して確認できない」「働き方改革法案で定められた条件を確認できない」といった問題を抱えていました。
これらの問題を解決するため、ビジュアル分析を得意とするBIツール「Tableau」を用いて勤怠ダッシュボードを刷新し、勤怠データを可視化することにしました。これにより、勤怠管理業務において、これまでできていなかった下記のようなことが可能になりました。

✓長時間残業などの負荷の高い社員の状況が一目で確認でき、早期にケアができるように
✓部門を超えて全社横断で社員の勤務状況を可視化でき、業務量の平準化に取り組める
✓働き方改革法案で定められた条件に対する現在状況が一目でわかる(例:年間有休取得日数、平均残業時間等)

勤怠ダッシュボードbefore ⇒ after

勤怠時刻と有給取得状況のダッシュボード 勤怠時刻と有給取得状況のダッシュボード

◆経費精算ダッシュボード

もうひとつ、社員の働く姿を経費精算の観点から可視化することを目的として用意したのが、下図の経費精算ダッシュボードです。

経費精算ダッシュボード

経費精算状況のダッシュボード 経費精算状況のダッシュボード

以前は、事業部門からの要望に応じて、経理担当が経費精算システムからデータをダウンロードし、Excelで加工を加えて配布していましたが、依頼をしてから確認するまでにリードタイムがかかる(事業部門側)、手作業で効率が悪くミスも発生しがち(経理側)と、双方に問題を抱える状態でした。
経費精算ダッシュボードを作成した結果、事業部門側はリードタイム・ゼロで確認できるようになり、経理側も毎回の手作業から解放され、双方に大きなメリットをもたらしました。


ダッシュボード化に欠かせない
データ連携基盤

勤怠の打刻データや経費精算データのほか、PC操作ログなど、さまざまなデータを元に“社員の働く姿を見える化”することで、負荷が高くなっている社員を早期に発見し迅速にサポートできる体制を実現しました。社員ひとり1人にやさしい“働きやすい職場”や、フリーアドレス/テレワークといった“新しいワークスタイル”の実現にも貢献しているダッシュボードですが、さまざまなデータからリアルタイムでダッシュボード化するためには、データを利用しているシステムやデータベース/Excelファイルなどを連携させるためのデータ連携基盤が必要です。さまざまなシステムからのデータ抽出・加工・登録を自動で行うデータ連携基盤によって、最新のデータをリアルタイムで確認できるようになりますし、手作業でのデータ加工業務が不要になり、残業時間削減にもつながるのです。

データ連携基盤のイメージ

データ連携基盤のイメージ

弊社では、自社における経験を活かし、お客様向けのダッシュボード作成やデータ連携基盤の構築サービスを提供しています。ダッシュボード化を検討している方、弊社が実際に使っているダッシュボードについて、UIやデータ連携の仕組みなど詳細を知りたいという方は、是非気軽にお問い合わせください。

著者:
株式会社セゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)
リンケージビジネスユニット ビジネス開発部
データエンジニアリングコンサルタントチーム

土田 昌輝